花びら

さくらの花びらが
風に吹かれて嵐のように吹き渡る。

思い出したくも無かった記憶が
ささいな目の前の出来事をきっかけに
無数の断片として僕にぶつかってくるような
そんな圧倒的な存在感をさらし続けるが
やがて力尽きて地面に寝そべってしまった。

風になびいて飛ぶ一枚の号外みたいな春は
土の上で一面をピンクに塗りたくり
白く冷たい季節の記憶を消し去っていく。
まるで思い出の一枚一枚を破っては捨てる、
忘れっぽい最近の僕みたいに。

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By GloomyWind 2003/4/2
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